それぞれの気候に、一体どんな特徴があるのでしょうか?
気候の地域別に、持って行くと役立つものも、合わせて伝えいたします。
フランスの気候の特徴は?
フランスは他の色々な国と比較しても、わりと温暖な気候の国です。
しかし地方により異なり、大きく5つに分けられます。
ほかの気候も多少入り混じっていますが、ここはフランスの天気サイト、Météo Franceの解説に従って5つでご説明したいと思います。
場所によっては気候の境目の場所もあり、微妙な地域も無きにしも非ず。
日本と気候も違うので、一体どんな感じなのか想像するのがちょっと難しそうですよね。
そこで、分かりやすいフランスの気候の特徴を、簡単に訳しました。
以下の5つの特徴をご覧ください。
5つの主要な種類の気候
世界規模で見ると、フランス本土は穏やかな風土で、比較的温暖な気候です。
しかし、3つの重要な山(ピレネー山脈、マッシフ・セントラル、アルプス)や緯度、高度、海の接近と地域によって気候が変わります。フランス本土の5つの主要な気候タイプ
・海洋性気候
・変化形海洋気候
・半大陸性気候
・山岳気候
・地中海気候
以下、それぞれの気候の特徴を見ていきましょう。
旅行なさる場所はどんな気候なのか、基本的な情報を事前に知っておくと安心です。
フランスの季節ごとの気温
Météo-Franceによる、1981~2010年のフランス全土の平均気温です。
ちょっとデータが古いですが、Météo-Franceではこれが最新のようですので、目安になさってくださいネ。
フランス語表記を日本語で表すと以下です。
・春:PRINTEMPS
・夏:ETE
・秋:AUTOMNE
・冬:HIVER 冬
※Météo-Franceよりお借りしました。
上の図より、冬のフランスは、左半分は大よそ0℃~4℃ぐらい。
この寒さなら長野県の冬のような感じ。
春はアルプス山脈付近以外で、寒くて8℃ほど。
東京の冬の気温ぐらいですね。
夏は南フランス以外は、30℃も上がらない所が多いです。
湿気も日本より低いので、日差しが強くても陰に入ると過ごしやすいですよ。
秋は12℃あたりの地域が広いですね。
薄いダウン持参なさると良いと思います。
地方により、まるで別の国の様に気候が違いますので、訪問先の都市の気温をチェック!
季節別の服装早見表
季節と気温に合わせた服装表はこちらです。
この季節は、こんな格好しているのね!と目安になさって下さいネ。
では、次にそれぞれの気候を、もっと詳しくお伝えいたしますね。
モンサンミッシェル、サンマロなどの海洋性気候
1979年にユネスコの世界遺産登録された、モンサンミッシェル!
幻想的な風景が人気の、この地域の気候はこちらです。
海洋性気候は、穏やかな気温と相対的に豊富な降水量を特徴としています。
海洋性気候は、典型的なブルターニュとノルマンディーの海岸の気候です。
さらに北部、ベルギーの国境まで冬は寒いです。 さらに南、ロワール渓谷、ヴァンデ、シャラント島は降雨量が少ないですが、アキテーヌ地方では、ピレネー山脈近辺での冬と春は降雨量は増えます。典型的なヨ-ロッパの気候で、大西洋に面した長い海の一面から中緯度の位置、そしていくつか別の地域によって特徴付けられた気候です。
海洋性気候は穏やかな風土に属し、冷たくじめじめとした湿気のある冬と、穏やかな夏ですが、天候が変わりやすい特徴があります。
最大の降水量を記録するのは、冬の寒い期間です。
赤道に近づいている地中海性気候の地帯と、北極に近づいている寒帯の間に、大陸の西側のファサ-ドが合流する地域でもあります。
海洋性気候はパリの気候でもある、変化形海洋性気候よりも温暖ですが、地中海性気候より気温が高くありません。
私はベタですが、Cherbourg-Octeville シェルブール=オクトヴィルが舞台の映画『シェルブールの雨傘』を思い出し、やはりこの地方は雨のイメ-ジがします。
海洋性気候の有名な観光地と言えば、以下の都市などがありますよ。
・Rennesレンヌ
・Saint-Maloサンマロ
・Dinanディナン
そしてノルマンディー地方の有名な観光地は、
・Honfleur オンフル-ル,
・Caen カ-ン
・Mont-Saint-Michelモンサンミッシェル
この地域へ行く時のおススメの服装や持ち物
・折り畳み傘、レインコ-ト
雨が多く天候が変わりやすいので、持参ください。
レインコートはおりたた丸めて小さくなるものが便利!ヤッケなどでもOK。
・ゴアテックスのブーツ
靴は秋冬だと、雨でもドンと来いのゴアテックスの様なブーツが便利ですよ。
パリ、ランス、リールなどの変化形海洋性気候
シャンパーニュ地方と言えば、シャンパン醸造の有名所!
ランスにはフジタ礼拝堂もあり、パリから行きやすいところでもあります。
変化形海洋気候は、海洋性気候と山岳気候との間の移り変わりの一帯で、準大陸性気候です。
冬と夏の温度差は海との距離に伴なり増加し、雨量は海岸の降雨量よりも低くなります。変化した海洋性気候は、マッシフ・セントラル(Massif Central=中央高地)、パリ流域、シャンパーニュ、ピカルディ東部、ノール・パ・ド・カレーの西部と北部の丘陵地帯に関係しています。
別名、Le climat océanique dégradé。
フランスの首都、パリはこの気候です。
ほか、変化形海洋性気候の地域の有名な観光地は、以下の都市などです。
シャンパーニュ地方
・Reims ランス
・Calais カレー
・Dunkerque ダンケルク
ピカルディでは
・Amiens アミアン
ノール・パ・ド・カレーでは
・Lille リール
この地域へ行く時のおススメの服装や持ち物
穏やかな気候ですので、ほかのフランス地方よりも一年中観光しやすい地域です。
ですので、基本的なフランスの服装でOK。
服装について、詳しく書いたこの記事をご覧ください!
パリの気温の年間でみる服装は?温度差の激しい時の着こなし術!
日本と違って寒暖の差が激しいパリ、フランス。どの季節にはどんな服装で旅すればいいの?観光のベストシーズンは?そんな質問に、お答えしました。季節や温度ごとに分けてのおすすめコ-ディネイトも詳しくご紹介!
ストラスブール、ナンシーなど半大陸性気候
ストラスブールと言えば大聖堂と世界遺産にもなった、木骨組みの建物がとっても可愛い可愛いプチット=フランス。
この地方の気候はというと、夏は暑く冬は寒い地域でした。
準大陸気候では、夏は暑くて冬は厳しい、何日もの雪や霜が続く時もあります。
アルザス、ヴォージュ地方のフェーン現象の影響を受ける地域を除いて、年間降水量は比較的高く、特に夏には暴風雨に襲われることも、しばしばあります。半大陸気候は、フランス北東部(アルザス、ロレーヌ地域圏のアルデンヌ地方、アルゴンヌ地方やフランシュ・コンテなどブルゴーニュの一部)と、マッシフ・セントラルとアルプスから集められた平野の一部が該当し、西風からの避難所でもあります。
私の住んでいる地域は、まさにこの気候で、冬は雪が降る時もあって寒いです。
一方、夏は恐ろしく暑い日が数日続く年もあり、ク-ラ-が家にないので、うちわと扇風機でしのぐ、耐えがたい夏の気象にヘキへキすることも。
でも続いても一週間ほどです。
寒いのには慣れましたが、暑いのにはめっぽう弱くなりました。
半大陸性気候地域の有名なの観光地は以下の都市などです。
・Nancy ナンシー
・Strasbourg ストラスブール
・Besançon ブザンソン
この地域へ行く時のおススメの服装や持ち物
・冬は暖かいコ-トで!
有名なアルザスのクリスマスマーケットこと、Marché de Noëlマルシェ・ド・ノエルは、夜はかなり冷えますので、暖かい装いでいらしてくださいね。
ピレネー山脈、オート=アルプなどの山岳気候
スペインとの国境付近のバスク地方の東端部も含まれる、自然いっぱいのこの地域帯。
山岳気候では高度に応じて、急激に温度が低下します。
冬は曇りが少なく、夏は霧や霞が多いです。
風や降水量は場所によって大きく異なります。
標高や地形によって変わる独特な気候ですが、サヴォア県では冬は大雪になる所もあり、大西洋の低気圧と大陸の気候(夏暑く、冬寒い)に地中海の影響(熱波と干ばつ)の様々な影響を受けます。
ピレネー山脈では緯度と方位によって、大西洋西部と東部そして、大陸部と地中海南部と東部と2つの大きな気候に分けられます。
フランス側のみに、vallée d’Ossauヴァレ・ドソーや、Osse-en-Aspeオッス=アン=アスプの様に、非常に大きい典型的なU字谷が存在します。
氷河はPauポー(フランス南西部の都市)の北部まで広がり、Jurançonジュランソンの斜面も古代の氷河に運ばれた岩石でした。
冬はスキ-で人気の地域ですが、夏もハイキングに大勢訪れるスポットでもあります。
山岳気候地域の有名なの観光地は自然いっぱいの公園があります。
・Les Pyrénées ピレネー山脈
・Mont Perdu モン・ペルデュ (ピレネー山脈中央部の山)
・Le pic des Posets ポセッツ峰 (ピレネー山脈)
・Parc national d’Ordesa オルデサ・イ・モンテ・ペルディード国立公園(ピレネー山脈)
この地域へ行く時のおススメの服装や持ち物
・重ね着のトレッキングスタイル
汗をかいても乾きやすい高機能な発熱インナーなど、高度に合わせて脱ぎ着しやすい服装が便利。
そして歩きやすい靴で!
そして日焼け止めにUVクリームも、お忘れなく。
マルセイユ、アヴィニョンなどの地中海気候
ブイヤベースが美味しいマルセイユ。
そして、サン・ベネゼ橋で有名なアビニョンはこの気候です。
地中海性気候は穏やかな気温の冬で、夏は暑く日が照っていますが、頻繁な強い風が特徴です。
雨の日はほとんどなく、年間を通して不意に雨が降る程度です。乾燥した冬と夏、降水量の多い時期は春と秋で、しばしば雷を伴います。(3ヵ月で一年間のト-タルの40%を占める)
この降水は、特定の場所、特に起伏が激しい場所付近(Cévennes セヴェンヌ地方)の月平均よりも数時間で4倍以上の水をもたらします。地中海性気候に関係する地域は、海と山の間の南東に位置しています。
一般的な地中海気候の特徴は夏の干ばつで、空気がとても乾燥しています。
夏の間は嵐の時以外は雨が降らず空は澄み渡り、亜熱帯の高気圧は緯度で再び上がり、地中海北部を覆います。
冬は温暖で一般的な平均気温は9度ですが、フランスのプロヴァンスでは6℃ほど。
反対に、北部の盆地と大陸と大西洋の影響を受ける地域以外の夏は非常に暑く、平均気温は22度以上で、山岳地帯を含む南、東盆地では40度を超えるほどの猛暑。
日本で大人気の南仏
私も一度、7月下旬にToulonトゥーロン近辺へ行きましたが、寒い地域で暮らしているせいか、慣れない暑さに参りました。
ですが、まったく違う南仏の風景に驚き、透き通る美しい海で泳いだ思い出が、今にも胸に残っています。
地中海気候地域の有名なの観光地は、以下の都市などです。
・マルセイユ
・アヴィニョン
・モンペリエ
・二-ス
この地域へ行く時のおススメの服装や持ち物
・日焼け止めクリームとサングラス
日差しも強いので、春から秋に掛けてサングラス必須。
焼けたくない方は、日焼け止めクリームをこまめに塗ってくださいね。
冬は基本的に温暖ですが、1月の最低気温が3℃という低い年もあるので、旅行前に天気予報は要チェック!
南仏のミストラルに関する、風速について日本との違い
フランスでは風速を時速(km)と、表現します。
日本では、「やや強い風」は風速10m(秒速10m)ですが、時速換算するとフランスでは風速36km/hになるようです。
覚えておくと、ちょっと便利な知識です!
最後に楊夫人から、あなたへ
日本は6つの気候に分れますが、フランスも5つに区分されます。
・海洋性気候
・変化形海洋気候
・半大陸性気候
・山岳気候
・地中海気候
それぞれの気候を知る事で、それに応じた旅の楽しみ方を、より一層出来そうと思いませんか?
あなたの次の訪問先は、どの気候の地域でしょうか?
この記事で、さらにフランスの地方にも興味を抱いて下されば嬉しいです。
引用文献:meteofrance.com、france-montagnes.com 、fr.wikipedia.org
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