今回は、パリに生まれた2003から2012の間に生まれた子供のトップ1000の中から、トップ20位までをご紹介します。
フランス人男性の名付け方法とは?
最近は、若干外国の名前も少しづつ増えているものの、やはりフランスの王道の名付け方法は、伝統的に聖人の名前の中から選ぶ方法です。
結構古典的でしょ?
じゃあ若いフランス人の中でも、熱心なキリスト教信者は多いのかしら?とお思いになるかもしれません。
ですが、毎週日曜日に欠かさず教会に行くという人は、少なそうです。実際私の友人や夫の友達の中では、一人もいません。
それでも、やはり名付けには聖人の名前が断然人気!
日本人にはあまり馴染みのない聖人の名前ですので、語源や由来も一緒にご紹介しますね。
語源を知るのも、なかなか興味深いですよ。
花の都パリで名付けられた、ベベパリジャン(ベビ-パリジャン)の人気の名前。
これらの名前の数々より最近の人気の傾向が、垣間見れそうですよ。
1~10位
1位から順に一挙公開していきます!
1. Gabriel ガブリエル
語源:へブライ語の”gabar”と”el”。
“gabar”は”強い”、”el”は”神”を意味しています。
2. Alexandre アレクサンド
語源:ギリシャ語の”alexein” 。
由来は”repousser”そして “andros”や”homme”を意味します。
この意味により、Alexandreの名前の意味は”repousser l’ennemi”で”敵を撃退する”.
3. Arthur アーチュウ
語源:ケルト語の”ours熊”の意味する、ブルトン語(ブルタ-ニュ地方の言語)名の”Arzhur”。
実はこのArthurの名前の意味には議論の余地があり。
それはフランス人、アイルランド人、スカンジナビア人は伝説のアーサー王が3つの文化を知っていたことから、起源については色々な意見があります。
アイルランド人にとってのArthurは「石」を意味する「芸術」という言葉が生まれ、堅実さの象徴。
一方、スカンジナビア人にとってのArthurはノルウェー語の”Arnthor”で「神のワシ」と言う意味です。
4. Adam アドン
語源:ヘブライ語。
一神教における地球上初めての人間の男性の名前、アダムとイヴの”アダム”ですね。
その為、この名前は西洋と中東の両文化に存在する名前で、熱心なカトリックの国アイルランドにも多いです。
5. Raphaël ラファエル
語源:ヘブライ語。
ヘブライ語の”rapha”と”el”で構成された名で”rapha”は”癒し”、”el”は”神”で、「神が癒す」と意味。
6.Louis ルイ
語源:ゲルマン語の”Hlodowig”。
古い名前のHlodowigは”Hlod”と”wig”という二つの単語「名誉と戦争」 から構成されています。
7. Paul ポール
語源:ラテン語のPaulusから由来。
Paulusの意味は”petit”、「小さい」
8. Antoine アントワーヌ(オントワーン)
語源:ラテン語の”Antoniu”と、ギリシャ語の花という意味の”anthos”。
Antoineはラテン語のantoniusから由来し、フランス語では“inestimable”「貴重な」という意味。
9. Maxime マクシム
語源:ラテン語の”Maximus”。
ラテン語の”Maximus”の意味は、”le plus grand”「最も大きい」という意味。
10.Thomas トマ
語源:ブライ語の”Theoma”。
アラム語(かつてシリア地方、メソポタミアで話されていて、現在もレバノンなどで話されているアフロ・アジア語族の言語)の由来を持ち、”toma”の意味は”jumeau”「双子」。
11~20位
11.Victor ヴィクトー
語源: ラテン語。
Victorはラテン語派生の名前で、”vaincre”「打ち負かす、制する」という意味の名前です。
12.Lucas リュカ
語源:ギリシャ語の”Leukos”。
Lucasという名の語源の”Leukos”は “blanc” 「白」や “brillant”「光沢」を意味します。
13.Jules ジュ-ル
語源:ラテン語のJulius。
Julesは重要なローマ家族の名前であり、そしてJulius は “descendant de Jupiter”「木星の子孫」と言う意味します。
14.Nathan ナトン
語源:ブライ語の”Nathana’el”より。
ヘブライ語の”Nathana’el”の意味は “Dieu a donné”「神が与えた」.という意味を持つ、ヘブライ語から発祥。
そしてNathanは”don”「与えること」もしくは “cadeau”「プレゼント」という意味もあります。
15.Hugo ユーゴ(ウゴ)
語源:ゲルマン語の”hug”。
ゲルマン語の”hug”からの派生のHugoは、ゲルマン語の言葉では”esprit”「精神、心」、 “pensée”「思い」 または “intelligence”「知性」を意味します。
16.Sacha サシャ
語源:ギリシャ語の”Alexandros”。
Sachaはギリシャ語の”Alexandros”と”alexein”から派生。
“alexein”には”protéger”「保護する、守る」そして、”homme” 「人間、男性」もしくは”guerrier”「戦士」という意味する”andros”が由来です。
17.Mohamed モハメド
語源:アラブ語の”Muhammad”。
Mohamedは、”loué”「賛美」、 “賞賛に値する”、または “digne de louanges”「”賞賛に満ちた」という意味を持つ、、”Muhammad”のフランス語形式の名前です。
18.Enzo エンゾ
語源:イタリア語のVincenzoとLorenzoの短縮名ですが、ドイツの名前Heinrich、またはスペインのEnriqueよりも小さいと考えられているので、他の起源から来ている可能性もあります。
Enzoは、イタリア語の名前Vincenzoであり、”maître de maison”「家の主人」と意味します。
19.Gaspard ガスパール(ガスパー)
語源:色々論争がありますが、恐らくペルシャ語
Gaspardという名前は”gardien du trésor”「宝の保護者」という意味するイランの用語に関連しています。
インドの言葉”le voyant”「先見者」にも結びついています。
20.Clément クレモン
語源:ラテン語の”Clemens”。
Clémentはラテン語の”Clemens”からの派生で、 “bonté” 「親切」や”capable de pardon”「許すことが出来る」という意味です。
※()のカタカナは、よりフランス語の発音に近い書き方で表現しました。
引用及び参考文献:motperdu.fr、journaldesfemmes.com
最後に楊夫人からあなたへ
ご覧の通り、短い名前が最近の人気のようです。
ですが、語源を見るとかなり古くてビックリしました。
とくにAdamアドンなんて、初の男性の名前がこの現在も人気とは驚き!
それに比べると、日本の名前はバリエーションに富み、かつ、人気の名前の移り変わりが激しいと感じます。
ですが、その反面たくさん名前があるので、あえてカブらない名前を付ける事も可能。
そんなところが良いところではないでしょうか。
名付けや、オリジナル小説の主人公の名前などの、参考になれば嬉しいです。
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