エピファニ—はキリスト教の祭日ですが、私の住むフランスでは、年末年始の行事の一つとなっています。
フランスでエピファニ—(公現祭)はどのように過ごすのかご存知でしょうか?
- エピファニ—(公現祭)ってフランス語でどう書くの?
- フランスでエピファニ—はどうんな感じで過ごしてる?
- フランスで食べるエピファニ—のお菓子を知りたいわ!
- エピファニ—のお菓子って家でも作れる?
そんな疑問にお答えします。
もはやエピファニ—は宗教的行事と言うより「また太るじゃん…😬OMG!」と思ってしまう風物詩。そんな実態を詳しくご紹介しつつ、お菓子の説明も併せてご紹介しますね。
それでは、一緒に見ていきましょう。
参考文献:
ca-m-interesse.over-blog.com
de.ambafrance.org
http://www.robuchon.jp
http://www.sadaharuaoki.jp/
「キリスト教の本 上・下」学研
cybercure.fr
エピファニーとはフランス語でどう書くの?
エピファニ—はフランス語で書くと『Épiphanieエピファニ—』。
発音もほぼカタカナ読みの『エピファニ—』で通じますよ!
Épiphanie エピファニ—という言葉の意味は、ギリシャ語語源でépiphanéiaより「出没」「光り輝いて出現する」です。
キリスト教の暦でクリスマス(12月25日)から数えて、12日目の1月6日が『Épiphanieエピファニ—の日』なんですよ。
フランスでは休日ではなく、平日で学校も会社も出勤し、今日のフランスでは、あまり重要視されていなく、もはや、古代ローマのサートゥルナーリア祭が起源のお菓子「ガレットデロワ」というパイ生地のお菓子を食べる日となっています。
サートゥルナーリア祭が起源というのも、知らない人が多いのではないでしょうか?ちなみに現地人の夫もそんなことは全く知りませんでした。その程度です😑。
実はエピファニ—はクリスマスと関連していた
クリスマスとエピファニーは関連していて、モミの木の下に飾るcrècheクレッシュ(馬小屋)がそれぞ物語っていたんですよ。
日本ではあまりなじみがないクレッシュですが、フランスはクリスマスツリー🎄とセットで、小屋と人形たちを飾っている家も多いですよ。
上の写真ではちょっと分かりにくいかもしれませんが、左に青いベ-ルを被った女性がマリアで、その下に赤ちゃんのキリストがいます。
東方の三博士と言われる三名が『救世主が表れた!』とベツレヘムに行って、馬小屋でイエスを発見し訪問したことを祝う日=『エピファニー』なのです。
※東方の三博士=Mage(マギ)とは、占星学師とも言われる東の国で星を観察していた賢者のことです。
『見~つけた!!』って祝う日なのですが、最初、全く理解出来ませんでしたが、私にとって未だに正直よくわからない🙄不思議な祭日の一つです。
その様子を再現するように、クリスマスツリーの下に置く、crècheクレッシュというイエスキリストの生まれた馬小屋を飾ります。
宗教的な理由というより、クリスマスの飾りの一種としてと飾っている感じで、クリスマスツリーの下に飾る事が多いんですよね。
横にクマのマスコットがいますが、信仰深くない義母の飾り方です(笑)
クリスマスはイエスキリストの誕生日だとなっていますから、赤ちゃんの姿のイエスもいます。
※余談ですが、実は12月25日はイエスキリストの誕生日だとどこにも書かれていません。
思いっきり適当な飾り方です。
そんなエピファニーですが、実はキリスト教の裏にはこんな話がありました。
ここから私は、教科書に載っていない歴史を再び学ぶきっかけになったんですよね。
本来はエピファニーはキリスト教の祭りではない
実はエピファニーは異教徒の祭りでした😵。
私はフランスに来てから、日本にはないキリスト教の祭日の意味が気になり、キリスト教の本を買って読んだんですよ。
こちらの本をキリスト教の行事の度に読んでますが、知って衝撃⚡、ええ~そうだったの!?と驚きました。
下巻も持ってます。
そこで知ったことは、クリスマスも異教徒の冬至が元だという事です。
冬至は一年で一番日が日が短いですよね。その冬至を迎えた日から段々と日が長くなっていくので、その太陽の輝きを取り戻す(光の再生)喜びを祝うのが冬至祭りでした。
エピファニーはその冬至祭(=クリスマス)の一環の行事なんですよ。
そもそもクリスマスはサートゥルナーリア祭(Les Saturnales)は、サートゥルヌス神を祝した古代ローマの祭ですが、土星の祭りでもありました。
フランス語ではLes Saturnalesと書きますが、Saturnalesの元はSaturne (土星)から来ています。
どうして土星?って思いますよね。その理由は、丁度やぎ座の守護星が土星に回帰する時期なので、それが由来となったのでした。
次は、現在のフランスでは、1月6日のエピファニーではどう祝うのか?です。
フランスでエピファニーはどう祝うの?
実はガレットデロワを食べるだけです😑
1月6日がエピファニーですが、そこは適当で、一か月間食べることが多いんですよね。1月中は友達の集まりや習い事など人が集まる場所で、ガレットデロワを食べる機会が多いんですよ。
私の通っている合気道でも、フランス語講座でも年始初の日には、みんなでガレットデロワを食べてますが、キリスト教に馴染みのない私は、エピファニーを毎年どんな様子が伺っていますけれど、殆どみんなキリストのことは考えていない感じがします。
それよりガレットデロワを食べながら「ノエル(クリスマス)どうだった?」という会話で持ち切り。
ノエル(クリスマス)は、フランス人にとってのお正月のようなもの、年始の会話は毎年こんな感じです。
それでは、今日のエピファニー主役とも言えるお菓子「ガレットデロワ」についてご紹介しますね。
ガレットデロワとはどんなお菓子?
ガレットデロワとは、アーモンドプードル(パウダー)とバターがメインのクリームを挟んだパイのお菓子で、特徴はフェ—ブ(豆)が入っていることです。
自作のガレットデロワはこちら👇
太陽をイメージした、丸い形と金色が特徴です。
フランス語で書くとGalette des Rois、意味は「王様のガレット」。
最近では王道のアーモンド以外に、リンゴやチョコレート、ヌテラなどバリエーションも豊富になってきましたよ。
Concours de la meilleure galette des Rois(ガレットデロワコンクール)というものもあり、受賞したお店には大勢のお客さんが来ます!!
正直、こんなにガレットデロワがあると選ぶ方も大変そうですよね?
ちなみに1月6日付近の土日のパティスリー(ケーキ屋)やブランジュリー(パン屋)は凄い混雑しますよ!
肝心のガレットデロワの楽しみ方とフェ—ブの意味は、こちらで詳しく書きました。
https://monpetitcahier.com/archives/15849.html/
エピファニーで食べるガレットデロワの作り方
難しそうだけど、どうやって作るの?って思っちゃいますよね。ですが、実はすごく簡単!
だからフランスでは家でも作ることの多いのです。
ガレットデロワの作り方をフランス語で見てみましょう!レシピも動画で書いてありますよ。
フランス語学習者さんの為に、ちょこっと訳しました。
分かりやすく動画のフランス語の文章のそのまま訳したので、照らし合わせてみて下さいね。
- パイ生地2枚
- 100g アーモンドプードル (アーモンドパウダー)
- 75g 砂糖
- 1つ 卵
- 50g やわらかいバター
- 適量のほろ苦いアーモンドオイル (なくてもOK)
- 1つ パイ生地に塗るための卵黄
- 1つ フェーブ
作り方は、ただ混ぜるだけ!
大まかな作り方の順序をお伝えしますね!動画を見ながらどうぞ。
1.オーブンを220度に予熱します。
2.バターと砂糖を混ぜてから、アーモンドプードルと卵も加えて Mélange bienメロンジェ ビアン!(よく混ぜる)。
3.パイシートにフォークで穴を開けて、その上に1のクリームを厚さおよそ2㎝ぐらい載せて、フェーブも入れる。
4.もう一枚のパイ生地を載せて縁をフォークで押しながら封し、模様の切込みを入れて黄身を塗る。
5.オーブンで約20分焼きます (温度はオーブンにもよりますが、約200度ぐらい)
出来上がり!フェーブは乾燥豆、王冠は紙で適当に手作りでOKです。
フランスではガレットデロワの手作りキットも売っている
スーパーでは簡単なキッドも販売しています。
有名お菓子メーカー「VAHINE」から出ているガレットデロワキットです。
こちらはノワゼットチョコレート風味ですが、ほかにも色々な種類があって、このキットは袋の端の透明な部分からフェーブを見ることが出来、私は赤い四角い子を選びました。
このキャラクターはイギリスの「ミスターメン(Mr. Men)」。
フランス語版ではMONSIEUR MADAME(ムッシューマダム)という呼び名で人気です!
このキットの中身は、これらが入っています。
フェ-ブと王冠とノワゼットショコラの粉です。
このキットとパイ生地を買えば、すぐに出来ます!
ですが、忙しくて手作りする時間がないけれど、ガレットデロワでパ-ティしたい!という場合は、ネットで買う事も出来ますよ。
新潟菓子工房菜菓亭 売り上げランキング : 24675
|
もしくは、
最後にエピファニーの意味とフランス語の綴りについてのまとめ
フランスのエピファニーはの行事についてご紹介しました。クリスマスや復活祭などと比べると、あまり重要視していない行事です。
普通に生活していると、もはや宗教的な意味合いはほどんど感じなく、もはや風物詩のように「ガレットデロワ」を食べるだけ。
そんなフランスのエピファニーの行事について、簡単にまとめると以下のようです。
- フランス語でエピファニーは「Épiphanie」と書く
- エピファニーの意味は「光」「輝き」
- 元はと言えばエピファニーは異教徒の冬至のお祭りだった
- フランスではもはやエピファニーは「ガレットデロワ」を食べる日
- 「ガレットデロワ」はフランスでも家作って食べている
1月はガレットデロワで始まる!と言っても過言ではないほど、新年を感じるお菓子。
フランス風に、1月の集まりにみんなでガレットデロワを食べながら「お正月休みどうだった?」とお話してください。
1月中販売しているので、是非ご賞味くださいね!
コメント