フランスは新年明けてからすぐ、ガレットデロワが売り出されいます。
実はフェ—ブはフランス語で『豆』という意味なんですよね。
ガレットデロワとは、フランスで1月6日のエピファニ—(公現祭)に食べるお菓子ですが、その中に入っているフェ—ブについてご存知でしょうか?
- フェーブってなに?
- どんな形のがあるの?
- でもそもそも、どうしてフェーブが入っているの?
- フェーブを当てるゲームって?
- 子どもに食べさせると、フェーブを飲み込んでしまわない?
そんな疑問にお答えします。
フランスでは欠かせないエピファニ—(公現祭)の行事とフェーブについて詳しくご紹介します。
このフェーブの意味にまつわる、楽しみのゲ-ムについてなども併せてご紹介しますね。
ガレットデロワに入れるフェーブに意味はあるの?
先に結論から言いますとフェーブは当たりくじのような存在で、フェーブ自体には特に意味がありません。
そう、ガレットデロワは一種のくじ引きのような感じのものです。
元々はこのフェーブは、判事の選挙の為にギリシャ人が使用していたんですよ。
実は、キリスト教よりも昔ロ-マ人が、サートゥルヌス神を祝した古代ローマの祭り、サートゥルナーリア祭(農神祭)の主人を決めるのに、このフェーブを同様に使っていたようです。
いろいろな話があるのですが、いくつかご紹介しますと、11世紀(1000年から1100年の間)では、パンの中にフェーブを隠して首長を指定する者もいました。
適当な決め方ですが長の仕事は面倒だから、誰も引き受けたくなかったのかもしれません(ーー;)。
銀の部分、金の部分、または最も白い豆の部分なども、当時は隠してあったそうです。
その後、パンに変わってブリオッシュ(甘い菓子パンのようなもの)に置き換えられました。
まとめると、古代ローマ時代よりフェーブは抽選のような意味のもので、人々の中から選出するのに使っていました。
そして時は流れ18世紀ごろには、フェーブはキリスト降誕やクレッシュ(キリスト生誕時の馬屋の中の模型)を表す磁器の置物になったのです。
元々はサートゥルナーリア祭もキリスト教の祝い事ではなかったんですよね。
この行事もまた異教徒の祝事からキリストの祝いに変わりましたが、食べ物から色々歴史的な事が見えて興味深いです。
ちなみに、最初の磁器のフェーブが8世紀後半に現れました。
現在では、この磁器のフェーブのフィギュアコレクションをしている人も沢山いますよ。
私も集めようかと試みましたが、あまりにも数が多くてキリがなさそうなので断念しました。
蚤の市では、たくさんのフェーブを売っているので、機会があればご覧くださいネ!
フェーブを使ったガレットデロワの作り方と、フランスのエピファニーの過ごし方について、こちらに詳しく書きました。
https://monpetitcahier.com/archives/15849.html/
ガレットデロワを作る時のフェーブの入れ方のコツ
毎年ガレットデロワを家で手作りしていますが、入れるのにコツがあります。
それは、そっと生地に入れ、出来るだけわからないようにすること!!
さらに重要なのは、作っている所を誰にも見られないようにすることです。
下の写真の様にそっと生地に入れますが、どうしてもポコっと出てしまいます。
そこを上からパイ生地を敷いて、出来るだけ目立たないようにさせます。
焼き上がりはこんな感じです。
息子が速攻でフェーブを探しにきました。
では次に、なぜガレットデロワにはフェーブなのか?という解説をします!
ガレットデロワにはどうしてフェーブ?
フェーブとはフランス語で「豆」ですが、昔は本当の豆をガレットデロワに入れていました。
でも、どうして豆なのと思いませんか?
色々な説がありますが、分かりやすかったこの文献をご紹介したいと思います。
豆は冬至のシンボルの一つで、春に成長する最初の野菜です。
そして豆は卵のように、胚を含んでいます。 豆は非常に重要であり、特にギリシャ人の間では、ピタゴラス学派とローマ人によると死者の魂が含まれているとのこと。
引用文献:https://www.lexpress.fr/styles/saveurs/histoire-de-la-galette-des-rois-et-de-la-feve_1637819.html
やはりこの祭りは、古代の異教徒の祝日の冬至と関係あるようですね。
ベ-シックなフェーブは、次のものです。
ざっくりとした作りですが、想像するに東方の三博士の一人です。
パン屋系ではPaulのガレットデロワを食べた時のフェーブは、ネコでした。
犬のフェーブが当たった時もありました。
かわいいフェーブを見つけました!これは飾りにしても素敵。
では次に、ガレットデロワの食べ方についてご紹介しますね。
ガレットデロワのゲームの仕方【子供には重要!】
ガレットデロワはちょっとしたゲームみたいな遊びをして、選んで食べるんですよ!
どんなゲームかというと、一番小さい子がテーブルの下に隠れます。
(もしくは切る所を見ないようにする)
その隠れている間に、ガレットデロワを切り分けます。
切り分けたら『出てきていいよ!』と言って、一番最初に選びます。
ここで注意することは、切っている時にフェーブの居場所が発覚してもポーカーフェイスで対処すること。
切っている所にフェーブがあった場合は、クリーㇺにグっと入れ込んでください(笑)
幼稚園でも1月6日にガレットデロワを食べます!
小さい子同士では、あまりおススメしません。
何故ならフェーブの取り合いで喧嘩するからです。毎年ほとほと疲れました。
ガレットデロワからフェーブが見つかれば?
自分のガレットの中に所にフェーブが見つかれば、王様or女王様になれます!
そうなったら、王冠を被れる特典がアリ!
そのため市販のガレットデロワには、ちゃんと紙で出来た王冠もセットで付いています。
手作りの王冠でもいいですよ、息子は自作の王冠かぶってます。
王様になればどうなるのかって?とくに何もしません(ーー;)。
おめでとう!言うぐらいで、実はそんなたいし事はありません。
一応言い伝えでは『フェーヴが当たった人は王冠を被り、祝福を受け、幸運が1年間継続する』と言われていますよ。
ですが、今まで「ああ!この幸運は今年初めに当たったフェーヴのお陰だ!ビバ、フェーヴ!!」と言っている人に出会ったことがありません。
私も3年ほど前に友達の家で当たりましたけど、その年の一年間が幸運だったかは、すっかり忘れてました。
そんなもんです。
当たらなくても気にしないで下さいね。
ガレットデロワに入っていたフェーブは、もらえるの?
大概、当たった人のものになりますが、そのままお皿に置いて帰る人も多いです。
1月は友人宅や、息子の習い物でガレットデロワのミニパーティがありますが、入っていたフェーブは貰えました。
小さい子は喜んで記念に持って帰る場合が多く、反対にあまりフェーブに興味のない大人は、置いて帰る人が多いです。
もし欲しい場合は、念のために次の様に尋ねてみるといいですよ!
・Est-ce que je peux prendre ça?
エスク ジュ プ ポーンド サ?
「これ貰ってもいい?」
ほとんどの場合は「良いよ!」と言ってくれると思いますが、大切なコレクションの一品かもしれません。
一般的には貰えるという認識でいます。
もしあなたが手作りのガレットデロワを友人に振舞う場合は、プレゼント用のフェーブを入れて持って差し上げると良いでしょう!
もしくは、陶器のフェーブの代わりにアーモンド豆を入れてもGood。
きっと、王様は大喜びだと思います。
ガレットデロワのフェーブを飲み込む恐れは?
ないとは言い切れません。
ですので、あまり小さい子供にはフェーヴを除けて食べさせることが多いです
ですが、幼稚園の催しでは毎年1月にガレットデロワを食べる企画があったので、3才ぐらいから大丈夫だと思います。
フェーブの大きさも物によりますが、私の手持ちのものの中で一番小さい物で、約1.5㎝ほど。
大きい物では3cmぐらいあるので、3才ぐらいの子供であれば口の中に入ってしまっても、口から出せると思う大きさです。
でももし心配であればゲームは出来ませんが、ケンカにもなりませんし抜いてしまった方がいいかもしれません。
どうしてガレットデロワを食べるの?
くわしくはフランスのエピファニーについての記事をどうぞ。
https://monpetitcahier.com/archives/15849.html/
他いろいろな伝説があるのですが、その一つは12世紀から13さん世紀の間まで遡りますが、フランスの教会が設けたのが始まりとも言われています。
そして、キリスト教の伝説にも共通するのは、以下の内容でした。
このエピファニーの日にガレットは招待客と同じぐらい分け合いするもので、その余ったガレットは「貧困者の一部」と呼ばれて、誰かが訪ねてきた場合には、その一部を分け与えなければなりませんでした。
引用文献:http://www.plurielles.fr/recettes-cuisine/actus/galette-des-rois-la-petite-histoire-de-la-feve-6876726-402.html
分け与えるというのがテ-マの一つかもしれませんね。
Amour&paix(LOVE&PEACE)の精神で、今年も参りましょう~!
最後にガレットデロワのフェーブの意味についてまとめ
ガレットデロワのフェーブの意味についてご紹介しました。
日本では安全面からフェーブが入っていない、ガレットデロワがあるそうですがちょっと味気ない気もします。
最後にこの記事をまとめますと以下です。
- ガレットデロワのフェーブには意味がない
- フェーブは当たりくじのような存在だった
- フェーブ(豆)は冬至のシンボルで春に成長する最初の野菜だから豆になった。
- フェーブは基本的に当たった人が貰える
- フランスでは幼稚園でもガレットデロワを食べる(フェーブ入り!)
「フェーブには意味がない」という、なんのオチもない結果でしたが、ガレットデロワにまつわる話の雑学として知って頂ければ嬉しいです。
今年はフェーブを当てて、あなたも王女&王様になりましょう!
コメント
マダムヤン様の素敵な記事、楽しく拝見いたしました!1つ、教えて頂きたい事がございます。
自宅にて、手作り…もしくは購入したガレットデロワでおもてなしをした場合、お客様に当たったフェーブは、そのままプレゼントするのでしょうか?実は、突然この小さな小物集めにハマってしまい、色々と調べる中でふと、疑問に思った次第です。(ガレットデロワの関連記事は山のようにありましたが、この件に関しての記述は見つける事が出来ませんでした)
来年の1月、お気に入りのフェーブを入れてガレットを焼き、友人に食べてもらいたいという野望!?を胸に抱いていおります。中から現れたフェーブを「返却」して貰うのは、非常識な事であるのか…また、コレクターの多い本場ではどのように振る舞うのが常識的なのかを、マダムがお手すきの時に、是非ともご教示頂けましたら幸いです。
ひろさん、はじめまして、こんにちは
グっとツボを突いた質問ありがとうございます!
ムム…これはコレクターとして由々しき問題ですね。
結論から申しますと、私が友人宅でフェーブが当たった時は、貰いました。
ですが、振る舞ってくれたガレットデロワは、どれも市販のものでした。
一般的には、フェーブが当たった人には、それを貰えるというのが暗黙の了解のようになっています。
ですが、フェーブ自体あまり興味ない人は、貰っても仕方がないようで、お皿に置いて帰る人も実際多いです。
で、今回ひろさんがお友達を招いて、ガレットデロワパ-ティをなさる時ですが、
私としては、ここはフランス流で、フェーブが当たった方には気前よく差し上げて頂きたい所です。
しかしながら、私も小さい物が好きで以前はリーメント収集に凝っていたこともあり、
コレクターの気持ちも痛いほど分ります。
ですので、お友達に振舞う時には、差し上げてもいいと思うフェーブを入れて置き、
ガレットデロワの話が出た際に、さりげなくご自慢のフェーブを友達に、
「最近凝っていてフェーブのコレクションしているの」と、ご披露さなってはいかがでしょうか?
まだパ-ティに時間があるのであれば、今からプレゼント用にフェーブをいくつか調達出来ればいいのですが。
フェ-ブの入っていないガレットデロワは、クリープを入れないコーヒーと同じです!!
もしくは、アーモンドの豆を入れてみるのもいいかもしれません。
「危ないから今回はアーモンドを入れたけれど、フランスではこんなフェーブを入れるの」と
コレクションをお見せして、語るのもヨシ。
あ、それと王冠の準備はなさいました?王冠がないと、盛り上がりに欠けます。
フェーブが当たった方に、王冠を被って頂きましょう。
老婆心ながら、印刷して作れる王冠サイトを添付しておきますね。
ステキなパ-ティになりますように。
http://cestmamanquilafait.com/wordpress/maison-deco/craft/anniversaires/9-couronnes-de-rois-reines-princesses-a-imprimer-ou-colorier