キッシュロレーヌと言う料理をご存知でしょうか?
現在では、フランスの至る所でも食べられるフランス料理の一つ。
ですが、ロレーヌと名前についている通り、実は私の住んでいる所の郷土料理なんですよ。
- フランス料理を家で作るの難しい?
- 本格派のキッシュロレーヌって、本場ではどう作っているのかしら?
そんな疑問に現地のロレーヌ地方から、私がまるっとお答えします!
友達のママ直伝のレシピも伝授しますので、一緒にみていきましょう。
キッシュロレーヌとは、一体どんなもの?
Quiche lorraine キッシュロレーヌとは?
それはロレーヌのキッシュという意味の、フランスの郷土料理の一つです。
材料のメインは、卵、クレームフレッシュ、ベーコンの3つ!
シンプルでしょ?
このシンプルな料理は、なんと遡ること16世紀から作られている、ロレ-ヌ地方の伝統料理でもあるのです!
そのロレ-ヌ地方ってフランスのどの辺かご存じでしょうか?
フランスの北東部に位置するところです。
キッシュロレーヌ地方発祥のロレーヌ地方ってどこ?
フランスの北東部にある、ドイツの隣です。
フランスの地図でいうとこの辺↓で、アルザス地方の横の赤い地域でした。
「でした。」と過去形で書いたのは訳があり、現在はこのロレーヌ地方という名称はなくなってしまいました。
と言うのは、2016年1月1日より、Alsace地域とChampagne-Ardenne地域と合併したんですよね。
で、3地域まとめてGrand Est地域ゴーンエスト(もしくはゴ-ンデスト)という呼び名に変わってしまいました、ちょっと残念ですが。
この地方は、かつて以前ドイツ領だった地域(Moselle県=モゼル県)もあり、フランスとドイツの文化が混ざった独特な文化が残っています。
料理も同様に、ドイツ料理に似たものもよく作られますよ。
キッシュロレーヌ地方の歴史も、その背景がチラっと見えますので、軽くご紹介しますね。
キッシュロレーヌの歴史は思ったより古かった!?
ドイツのkuchen(ケーキを意味する)という語源から来たとされる、フランスの北東部のロレーヌ地方の郷土料理です。
伝統的にキッシュロレーヌは、パン 生地、豚肉の燻製、卵、クレームフレッシュで出来ていますが、のちにパン生地からタルト地(pâte brisée)に変わりました。
チ-ズはアパレイユが出来た後、加えられた様です。
引用文献:quichelorraine.fr
やはり地域的に、昔からドイツの文化も関りがあったようです。
それにしてもパン生地で作られていた昔のキッシュロレーヌは、今よりボリュームあり食べごたえがありそうですね。
私はやっぱり現在のタルト生地のような、軽い方が好みです。
で、キッシュロレーヌの歴史をご紹介したところで、次はフランス料理のキッシュの説明を軽くしますね!
キッシュとはどんな料理?
キッシュとは、フランス語でQuiche(キッシュ)と書きますが、卵とクレームフレッシュ(日本で言うサワークリーム)が基本となる、塩味のタルトの事です。
この卵とサワークリームを混ぜ合わせたものを、アパレイユ(appareil)とも言いい、料理やお菓子のベ―スとなります。
キッシュには色々な種類がありますが、様はこのアパレイユ(卵とクレームフレッシュ)に野菜を入れると、野菜のキッシュ、ツナを入れるとツナのキッシュとなります。
そう、自分好みのオリジナルのキッシュが出来るんですよ!
メインでキッシュを食べる場合もありますし、小さく切り分けフィンガーフード(おつまみ)として、アペティティフに出る場合もありますよ!
我が家はほとんど、メインの主食として大きく切り分けて食べています。
※塩味のタルト(Tarte salée タルト サレ)はおかず用で、甘いタルト(Tarte sucrée タルト シュクレ) とはお菓子のことです!
お惣菜として
パン屋さん(bourangerie ブロンジュリィ)やスーパーでも、一切れづつ販売しています。
もう、家に帰ってご飯作るの面倒!!と言う時に買って、オーブンで温めるだけでOK!
もし、キッチン付きのホテルに滞在するのであれば、キッシュロレーヌを買って温めてホテルで食べてみるのもいいかもしれません!
疲れてレストランに行くのも億劫な時に、便利ですよ。
ラザニア同様、便利なお惣菜としても人気の一つです。
本場で作っている、簡単キッシュロレーヌレシピは?
本場ロレーヌ地方に住んでいる私ですが、本格派のレシピで作ってません。
すみません…だって時間掛かるんですもの!!
と、いう訳で、忙しいあなたにも簡単に作れる手抜きレシピを伝授したいと思います。
手抜きと言っても、要はパイ生地を市販のものにするぐらいです。
早速明日のディナーに、作ってみて下さいネ!
こいとも流!本場で作る超簡単キッシュロレーヌレシピ
もう、めんどくさいこと抜き!!
パパっと作ってオ-ブンに放り込み、あとはゆっくり本でも読んでください!
では材料から、ご紹介しますね。
キッシュロレーヌの材料
- 卵:3つ
- クレームフレッシュ(crème frache=サワ―クリーム):500ml入り1つ
- 細かく切ったべ-コン(Lardon):200ℊ
- 市販のパイ生地(pâte brisée pâteもしくはpâte feuilletée ) :1枚
- 塩&胡椒:適量
- チ-ズ(とろけるチーズ)適量
私は量りを使うのが面倒なので、全て使い切る分量で作っています。
臆することなく、豪快にドバっと行きましょう。
クレームフレッシュ(crème frache)こと、サワ―クリームがない場合
フランスではクレームフレッシュは安く大抵のス-パ-で手に入りますが、日本では取り扱いのないお店も少なくないとお察しします。
そこで代用として、個人的には水切りヨ-グルト+レモンが良いと思います。
と、言うのも以前私はボケていたのか、クレームフレッシとフロマージュブロン(ヨーグルトのようなチ-ズ)を間違えて買いました。
それで全く気づかず、キッシュを作ってしまったからです!?
結果ですが、意外とどうってことありませんでした。
フランス人の夫も何も言わず食べてたので、イケると思います!
これなら、生クリームを買うより安上がりですし、何より重くありません!!
一度、だまされたと思って(笑)お試しあれ。
作り方は下の参考文献にリンクした、クックパッドさんをご覧下さいネ。
参考文献:cookpad.com
キッシュロレーヌの作り方
1.ボ-ルに卵を割り入れ、かき混ぜます。
2.かき混ぜた卵にクレームフレッシュを入れて、さらに混ぜます。
3.卵とクレームフレッシュを混ぜた中に、塩コショウを適量入れて混ぜます。
4.べ-コンを焼き、3に入れて混ぜます。
5.最後にチーズも3に入れ、混ぜあわせます。
6.タルト生地を型に敷き、全て混ぜ合わせたものをタルト生地の上に流し入れます。
7.200~220℃のオ-ブンに約30分ほど焼いて、出来上がり!
これのレシピは私のフランスの母こと、友達のママに教えてもらった基本のレシピなんですよ!
それを元に、ベーコンやチーズの分量を若干変えたものです。
動画で見ると、もっとわかりやすいかもしれません。
こちらの動画で紹介されているレシピでも、もちろんOK!
楊夫人の一口メモ
1.私のレシピは、量りを使わない時短レシピです。
アパレイユ(卵とクレームフレッシュの混ぜた液体)の分量が正しければ、あとのチーズやべ-コンの量は多少前後しても大丈夫です。
2.べ-コンを生のままアパレイユに流し込むレシピと、焼いて入れるレシピがあります。
焼かないレシピの方が多いですが、私は焼いた方が好きなので焼いたものを入れています。
これもお好みですが、焼かない方が断然時短出来ます!
キッシュの生地はどんなの使っているの?
本格的なキッシュロレーヌは基本的に、pâte briséeというタルト生地を作って使用します。
pâte briséeとは、バタ-、小麦粉、水、塩を使った生地で、タルト生地の中では一番よく使われる生地とも言えます。
本格派キッシュで使うpâte briséeの作り方は?
作り方は、この動画をどうぞ。
フランス語学習中のみなさんは、ディクテにチャレンジしてみて下さいネ!
この動画は設定で、フランス語字幕も出るように出来ますよ。
簡単に作り方の説明をしますと、とにかくシンプルです。
1.卵にお水5clを入れ少々の塩を入れたものを準備します。
2.ボ-ルに250gの小麦粉を入れ、その中に125ℊのバタ-を入れて混ぜ、併せて先ほど準備した卵液を入れて、こねるだけ。
料理好きな方は、是非タルト生地から作ってみて下さいね!
pâte feuilletéeとは?
もう一方のpâte feuilletéeは、バタ-多めの、サクっとした歯ごたえの層になったパイ生地のことです。
ミルフィーユ、アップルパイ、さらに源氏パイ(笑)など作る時に使います。
キッシュの生地はもちろん、手作りでもいいですが、市販のもので構いません。
pâte briséeを買ってきてくださいネ!
サクっとした歯ごたえがお好きなら、我が家のようにキッシュでもpâte feuilletéeでOK!
グルテン不耐性あなたであれば、グルテンフリーのタルト生地を使えばグルテンフリーキッシュの出来上がり!
参考文献:mavieencouleurs.fr
本格派キッシュロレーヌはどんなレシピ?
実は本格派のキッシュロレーヌのレシピは、簡単なレシピとはあまり変わりません。
違いがあるすれば、タルト生地を1から作るぐらいです。
と、いうものキッシュロレーヌ自体、作り方が簡単なのであまり変わらないんですよ。
色々なフランスの料理の本や、料理番組でも市販のタルト生地を使っている場合が多いので、簡単レシピでも十分美味しく出来ますよ!
ちなみに、キッシュロレーヌの大会で優勝した、3星シェフのFrederic Anton氏のレシピにも市販のタルト生地を使っていました。
ですので、あまりこだわらず、気軽にキッシュロレーヌを作って味わってくださいね!
参考文献:nancybuzz.fr
栄養面ではこっちをお勧め!野菜の簡単キッシュレシピ
キッシュロレーヌは、卵にクレームフレッシュ、そしてベーコンだけの料理です。
野菜が全く入ってないんですよね!
キッシュロレーヌもたまには良いですが、やはり野菜が無いのがちょっと気になるところ。
そんな理由から、我が家ではキッシュロレーヌに野菜を加えて、野菜入りキッシュロレーヌと言いますか、野菜入りキッシュを作っています。
私が本場で作る、簡単!野菜キッシュも併せてご紹介します。
キッシュは焼いて冷凍しておくことも出来ますので、疲れた時にはオーブンで温めて召し上がってくださいね。
こいとも流!本場で作る超簡単野菜キッシュレシピ
野菜を入れるか入れないかだけの違いで、工程は殆ど同じです。
実は野菜と言っても、冷凍と缶詰なのですが。
材料
- 卵:3つ
- クレームフレッシュ(crème frache=サワ―クリーム):500ml入り1つ
- 細かく切ったべ-コン(Lardon):200ℊ
- 市販のパイ生地(pâte brisée pâteもしくはpâte feuilletée ) :1枚
- 塩&胡椒:適量
- チ-ズ(とろけるチーズでOK)適量
- トウモロコシの缶詰:150g入り1個
- 冷凍のほうれん草:適量
赤で書いた、トウモロコシとほうれん草以外は、上記のキッシュロレーヌと同じ分量です。
作り方
1.ボ-ルに卵を割り入れ、かき混ぜます。
2.かき混ぜた卵にクレームフレッシュを入れて、さらに混ぜます。
3.卵とクレームフレッシュを混ぜた中に、塩コショウを適量入れて混ぜます。
4.べ-コンを焼き、3に入れて混ぜます。
5.トウモロコシの缶詰と、解凍したほうれん草も、3に入れて混ぜ合わせます。
ほうれん草はこちらを使いました。
トウモロコシもドバっと1缶投入。
6.タルト生地を型に敷き、全て混ぜ合わせたものをタルト生地の上に流し入れます。
7.200~220℃のオ-ブンに約30分ほど焼いて、出来上がり!
ざっとですが、卵を割る所からオーブンに入れるまでの下ごしらえ時間は、大よそ15分ぐらいで出来ます。
焼き上がりまでのトータルの必要時間は、1時間あればOKです!
最後に楊夫人から、あなたへ
今回は我がロレーヌ地方の郷土料理こと、キッシュロレーヌを詳しくご紹介しました。
古くは16世紀からのロレーヌ地方発祥の郷土料理ですが、今やフランス全土で食べることが出来る、メジャーな軽食料理となっています。
実際作るのも簡単で、卵、クレームフレッシュ、ベーコン、タルト生地がれば、焼き上がりまでトータル1時間も掛らないほど、パパっと作れます。
もちろん!フランスにいらした時に、注文するのもヨシ!
野菜が足りないなあ…と思うあなたは、野菜を入れても野菜キッシュにしてもOK。
気軽に作って、フランスの味をお楽しみくださいネ。
キッシュロレーヌに野菜を添えて、おしゃれなブランチにするのが私のおススメです!
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