合気道を始めたのは2018年、それから5年後に昇段審査を受けることになりました。
まさに未知の世界で、なにもかも全然わからず仕舞い!!
私自身、一体どんな準備すればいいのかサッパリわかりませんでしたので、初段を取得した今、初段の昇段審査にまつわる問いをまとめてみました。
- 昇段審査は入門していつ受けられる?
- 合気道初段の強さってどれぐらい?
- 初段の審査内容は?
- 昇段審査を受けてよかったことは?
このような疑問にお答えします。
私も技を覚えるのが難しかったですが、先生もフランス語で言っても、即わからない私に、足を蹴っ飛ばして身体で教えてくれたり🤣さぞ大変だったと思います。
この記事が、初段の昇段審査の準備に役立てたり、私と同様にフランスで合気道している方々の為に、お役に立てれば嬉しいです。
では、これから一緒に見ていきましょう。
合気道の初段を取るのに、何年掛かる?
結論から言うと、週二回稽古でおよそ最短3年です。
初段の審査に必須である受験資格の壱級をまず取って、壱級取得後に70日稽古して昇段審査を受ける事が出来ます。
技の習得はさて置き、入会してからの日数を計算するとト-タル約3年でした。
合気道の初段を取るには、まず審査要領に書かれてある、受験資格日数をこなす必要があるんですよね。私の通っている道場は合気会で、公式HPでは、以下の様に書かれてありました。
受験段級 受験資格日数 五級 入会後30日以上稽古した者 四級 五級取得後40日以上稽古した者 参級 四級取得後50日以上稽古した者 弐級 参級取得後50日以上稽古した者 壱級 弐級取得後60日以上稽古した者 初段 壱級取得後70日以上稽古した者
(年齢15才以上)・初段受験資格の年齢は満15才以上、四段は満22才とする。
ですから、いきなり「初段取る!」と言っても、それは無理な話で、まずは壱級を取得してから70日以上稽古しないと、昇段審査を受ける事が出来ません。資格がないのです。
上の表から、単純に初段受験資格必須日数だけで計算すると、30+40+50+50+60+70=300日
計算上では、一年で初段取得が可能です。
しかしながら、これは全く現実的ではないので😅取得しやすい稽古数で計算してみました。
週2日の稽古であれば、1年間は52週と1日(365÷7=52.1)でなので、仮に52週とすれば、52×2で104回。300日÷104で、おおよそ3年で受験可能👍
週一回の場合は、52週×1で52回、300日÷52回で、約6年で可能。
根性の入れて週3日の稽古した場合は、52週×3日で156日、おおよそ2年で可能、さらに猛烈に稽古好きで週4日通うと、52週×4日で208日。約1年と4.5か月で可能です。
まとめると、こんな感じです。
- 週一回稽古した場合、約6年
- 週二回稽古した場合、約3年
- 週三回稽古した場合、約2年
- 週四回稽古した場合、約1年と4.5か月
※暑中・寒中稽古の皆勤を考慮に入れる。
日数も大事ですが、技の習得がそこそこ出来てこそなので、あくまで目安として考えて下さい。なぜなら日数だけで判断してしまうと「週二回稽古しているのに、まだ初段の審査受けていない、私ってダメなヤツかも😢」と落ち込んでしまう恐れがあるからです。
誰かに勝つ為に稽古しているわけではありませんし、自分のペースで稽古して準備が出来たら、その時が審査の受け時。あと先生に勧められた時などですが、私自身、焦らなくても全く構わないと思っています。
それぞれ事情もありますし、稽古したくても出来ない時期もありますから、気にしないでいましょう。
実際に初段の昇段審査を受けた私はどれぐらい掛かった?
結局私は5年掛かりました。初年度はほぼ週一回、二年目以降は週二回稽古に通いました。
フランスはおよそ二か月ごとに二週間のバカンスがあるので、その時は稽古も休みの時期もありました。日本と違い稽古は学校がある日しかありません。
7、8月の夏のバカンスは当然稽古は休みですが、幸い私の先生はその約2ヶ月のバカンス中に、毎年5週間の研修(週3回の稽古)を開催してくれるので、それに参加していました。
さらに、その5年間の間に流行り病の為に道場が閉鎖され、Zoomでの素振りに体捌き以外、稽古が出来なかったので、本来ならもっと早く条件が満たしていたかもしれません。
この流行り病のせいで、自分が1級を取得していたと一年気づかず(先生だけはメモって把握していたようです)、昇段審査を受ける三ヶ月前に、突然「受験資格に満たしてるから、6月に受けなさい」と言われたんですよ。
「え~😱」と心の準備も出来ないまま「もっと早く言ってよ~😂」と思いつつ、必死のパッチで稽古しました。
合気道初段の強さは?
よく聞かれる質問ですが、合気道初段の人はどれぐらい強いのか?ですが、正直ケンカなど人と戦う場合の戦闘力としての「強さ」は、全く強くありません。
武道を習っていないとわからないと思うのですが、初段はやっと初心者になれる位置なんですよ。いわば、初段から本当の武道家としてのスタート。スタートラインにやっと立てた!という位です。
突然遭遇した強盗と戦うとか、道で襲い掛かってきた、自分より遥かに体格の良い男と戦うなど実践的な闘争力は、ないと思います。
じゃあ護身術として合気道を習っても仕方ないの?と思うかもしれませんが、もっと稽古すれば出来るようになるかもしれません。そして護身だけで考えると、技を習得する以外に回避出来る事は色々あるので、まず合気道抜きで対策を打った方が早いと個人的に思います。
塩田先生の本に「いかなる場合でも相手を憎んでカッカしないことです」と、書かれてありました。
相手と友達になることです。
例えば痴漢に狙われないようするには「抵抗しそうな女性」と振舞うことが一番手っ取り早いですよ。騒がれたり、警察沙汰になるのを避けるために、抵抗しない女性を狙いますから。
見た目に強そうな、ガタイの良い男性連れが一番良いですが、いない場合は、危険な場所にあえて行かない、夜でも無意味にサングラス、ドスの利いた派手な服を着る(サっと羽織れるヒョウ柄のコートなど)、片手には五輪書(笑)etc。
強さを求めるのはさて置き、合気道を習うメリットは私には多かったです。
こちらに詳しく書きました👇
https://monpetitcahier.com/archives/11544.html/
さて、次は肝心の初段審査内容についてです!
合気道の初段審査の内容は?
合気会のHPの内容通りですが、これがなかなかどうして、同じ技でもポジションが違うと大違いで、覚えるのが大変でした。
私が初段の昇段審査を受ける際に、練習した技は以下です。私はフランスで受けたので、日本の審査内容が若干違うかもしれません。
- 一教~五教(表&裏)=9技
- 入り身投げ
- 小手返し
- 四方投げ(表&裏)=2技
- 呼吸投げ=3技
- 回転投げ(内、外)
- 天地投げ
- 腰投げ
基本はこの計13技です。
そして徒手技法は、6つです。
- 座り技
- 半身半立ち
- 肩取り面打ち(立ち技)
- 横面打ち(立ち技)
- 後ろ両手取り(立ち技)
- 中段突き(立ち技&自由技)
さらに、以下3つも練習しました。
- 短刀取り(自由技)
- 杖取り(自由技)
- 乱取り(2人)
合気会のHPには初段の昇段審査では、杖取りと乱取りがありませんね。なぜだかわかりませんが、審査にあったんですよ。
ともかく、初段のポイントは「正確に型を覚えること」で、細かい所はそこまで追求されませんでした。入り身投げなら、入り身投げの基本の動きを正確に覚える事だったので、まだましでした。
弐段は的確なそれぞれのテクニックを求められますが、初段は大丈夫です。
装いも大事だ!と先生に言われ、昨年末にこの袴に新調しました。
内側にステッチが入っているので、綺麗な折り目ですし畳むのも楽でおススメですよ!
合気道初段の練習期間は?
昇段審査は毎年6月で、私の道場では審査向けの練習は1月から週一回で、約6か月間します。週二回通っていますが、週一回は審査に特化して稽古で、もう一回は普通の稽古でした。
週末は、時々他の道場の先生が講習会をするので、それに数回参加しましたが、基本的に6か月間週一回審査向けの練習をしました。
私は上に書いた通り、突然審査の3か月前に先生から「受験条件が満たしたから受けなさい」と言われ、先生は「いける、いける」と、謎の余裕を醸し出されていましたが、当の本人の私は本当に間に合うのか冷や汗ものでした。受験料50€も払ったし…。
フランスの合気道の昇段審査
私が受けたフランスの昇段審査の、日本と恐らく違うだろうな🤔と、思う部分を少しお伝えします。
ちなみに、私は開祖の内弟子だった、田村信喜師範が設立なさったフランス合気道武道連盟の(FFAB:La Fédération française d’aïkido et de budo)所属で稽古しています。
最後の一同で先生方が並んでいる場面に、私の先生も居ました😁👇
審査員直々から朝食のサ-ビスがあった
審査は朝9時からだったせいか、私の行った会場の審査員のみなさんが、とても親切だったのか、朝食を用意してくれていました。
道着に着替えて道場に向かうと、審査員方が食べ物と飲み物を用意して下さっており、審査員の方々が受験者に「ブリオッシュ🍞(菓子パン)にカフェ☕はいかが?」と、振舞ってくれました。
しかしながら、受験者のみなさんは「有難いですが、審査前に食べるのはちょっと…😅」と、遠慮なさっていましたが、ごもっとも。審査員の方々は気楽なせいか、朝食を食べてきてなかったかで、緊張している我々をよそに、ムシャムシャと、頬張っていらっしゃいました。
きっと日本の昇段審査会場では審査員直々に、コーヒー☕や菓子パン🍞を勧められることはないでしょう…😅。
「受け」をして貰う人を自分が選ぶ
審査員は受験者の名前を呼ぶんですが、呼ばれたら自分の「受け」をして貰う人を自分が選ぶんですよね。←受けはボランティアです。
そして、受けは3回交代しました。正面内から横面打ちなど切りの良い所で「パートナー(受け)を変えて下さい」と言われ、各々志願します。
ですから、自ら志願しないと受けの技を審査されないので、志願しないといけないのが衝撃でした。実は、これ審査当日まで知らなくて、審査の途中の休憩の時に、一緒に来てもらった先輩に「受けを志願しないと見てもらえないから、後半は志願しに行きなさい!」と教えて貰って知りました😑。
受験者から選ばれなければ、受けが出来ませんので、選ばれない場合は自ら志願する。ぼけ~っと座っているだけだとダメなんですよ。
もっと早く言ってよ!!と思いましたが、ともかく、後半の3人にガンガン志願しに行きました。私は積極的な性格ではないので、志願するのは超苦手なのですが、受けを見て貰わないと話しにならないので、勇気を出して水方それから、先輩と一緒に来て正解でした😂。
ちなみに、何回も審査員にアピールするように志願出来ますが、その回数が合否に関係するものではないそうです。←別の会場で受けた友達の報告でした。
あ、初段の審査料は50€で、事前にクレジットカードで先輩に支払ってもらい、あとで払いました。
昇段審査にまつわるフランス語
昇段審査はフランス語で「Passage de grade」と言って空手でも柔道でも昇段審査の事を同じく「Passage de gradeパサージュ ドゥ ゴーンドゥ 」と表現されています。
他には試験と同様に「examenエグザマン」も言う時がありますよ。
初段はそのまま「shodanショダン」もしくは「1er Dan プロミエ ダン」
弐段は「2eme Dan ドゥージエム ダン」…と続くのですが、わかりやすく👇の表にしました。
※段(ダン)は、日本語のまま「Dan」と言います。
日本語 | フランス語 |
---|---|
初段 | プロミエ ダン Premier Dan (1er Dan) |
弐段 | ドゥジエム ダン Deuxième Dan (2ème Dan) |
参段 | トワジエム ダン troisième Dan (3eme Dan) |
四段 | キャトリエム ダン quatrième Dan (4eme Dan) |
五段 | サンキエム ダン cinquième Dan (5eme Dan) |
六段 | シジエム ダン sixième Dan (6eme Dan) |
七段 | セッティエム ダン septième Dan (7eme Dan) |
八段 | ウィティエム ダン huitième Dan (8eme Dan) |
九段 | ヌヴィエム ダン neuvième Dan (9eme Dan) |
十段 | ディジエム ダン dixième Dan (10eme Dan) |
()は略語ですが、長いので大概この()内の略語で表記されています。発音はカタカナ表記と同じです!
技の名前も日本語のままです。
昇段審査を受けてよかったこと
義務でもない昇段審査を受け、初段を取ってよかったこといくつかあります。
めちゃくちゃ緊張して、審査日の一週間前から夜も眠れず仕舞い😰で「なぜ先生にあの時、”初段取りたいデス!”ってハリキッテ言ってしまったんだろう…嗚呼、私のバカ!」と、超後悔もしましたけど、取得出来た今「あの時の私よ、Good job!選択に悔いナシ✊」と満足しているので(えらい変わり様ですが)、その理由を書きます。
証明出来る
人に証明出来る所です。
いくら実力があっても形のない物を、全く知らない人に証明するのは難しですよね、でも資格があれば目に見えて一番わかりやすいので、取得して良かったです。
武道を習ったことがない人とって、黒帯を持っているというだけでも「すごい!」と思われるので、箔が付きます。
そして海外で合気道する時も、合気道手帳(パスポート)を持参すれば、段位を証明することが出来るので、便利ですよ。武道を習っていると、共通の趣味を持った外国人と友達になりやすいのでおススメです。合気道もそうですが、柔道、空手etc…と日本以外でも武道は人気です。
履歴書に書ける
合気道初段と履歴書にも書くことが出来ます。武道家にとっては初段はぺーぺーですけど、それでも初段まで続けて稽古し、畳の上で汗を流した証になります。
私はフランスに住んでいるので、日本人が武道を習っているというと、「流石日本人!」と予想を裏切らない期待通りの印象を受けるせいか、即リスペクト(笑)。さらに黒帯まで持っているというと、結構な確率で凄い!と一目置かれます。
よって、履歴書に書と「コイツは他のヤツより、忍耐力があるかもしれない」と印象付ける事が出来るでしょう。
根性がついた
逃げない根性が付きました😂。私はフランス語もパっとしませんし、先生の解説するフランス語も完璧にわからない。しかも3か月前から特訓し出したし、もう冷や汗もので大ピンチの巻!!でした。
ですが、それでもめげず…というか、まな俎板の鯉状態で、「もう知らん!」と開き直る強さが身に付きました。
なんでもデジタル化する昨今、インターネットがなくなっても、現代文明が終わっても、自分の体ひとつで出来るものを習得すると、なんとなく安心出来ませんか?
私は女だし、ちっちゃいし(身長150㎝)、力もない。おまけに心配性なので、稽古をすると心が安らぎます(笑)
審査結果と審査後にもらったフィードバックで改良すべき所が解る
審査を受けなくても、道場の先生より指導を受ける事も当然出来ますが、昇段審査でいつもと違う方々に、自分の動きをチェックして貰うのも良い機会です。
審査員の先生方が優しかったので、受かったものの(恐らく)、緊張しすぎて当日はボロボロでした。なぜ受かったのかわかりませんが、「すごく良いとは言えないけど、まあまあ初段並みには出来てた」との事です。
審査員の先生方曰く、受験者が緊張して技を忘れるのも、それも計算済だそうです😂。
結果発表後、審査員の先生が各々総評をして下さり、良くなかった所を次の二段の審査までに稽古するように教えて下さいました。
- 入り身投げの入り身が入り切れていなかった
- 五教の手の向きを間違えた
- 構が出来ていなかったのと、姿勢が悪かった
- 短刀取りの避ける動作が小さかった
- 肩取り面打ちの時の、当身を忘れた
と、散々でした。ですが、今後改良すべき所が把握できたので良かったです。もっと稽古しよう😂!
最後に合気道初段の昇段審査を受けて、まとめと感想
以上、合気道の初段の昇段審査を受けて、ホヤホヤの実態を私の体験を忘れないうちに書きました。
初段の一番のポイントはとにかく型を覚えることです。昇段審査を受けなくても構いませんが、私は受けてよかったと思います。その理由は集中して技を習得出来たことです。
今振り返って思う事は、私は日本人だから合気道を習っているわけではなく、単に合気道が好きだったと気付きました。これからも先生や仲間と共に、引き続き稽古し精進します。
この記事をご覧くださり、一人でも合気道に興味を持って頂けると、これ以上の嬉しさはありません!
分からないことがあれば、お気軽にコメント下さいませ。
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