フランスの私立中学校受験とは?2校受けた体験を時系列にリポート

来年中学生になる息子ですが、先日私立中学を2校受験しました。

息子の希望で受験しましたが、日本とは大違い!

あなりネットで出ていない情報なので、実際に我が家が受けた内容をリポートしてみますね。

フランスで中学受験にチャレンジしたい方の参考になれば嬉しいです。

我が家も初めての経験だったので、同じクラスの親御さん情報頼りでした。

  • フランスの中学受験した理由は?
  • 私立中学へ受験する準備期間がいつから?
  • フランスの私立中学受験にまつわる時期について
  • フランスの私立中学受験に出す願書や必要なものは?
  • 試験について
  • どんな基準で合否が決定するの?

このような疑問にお答えします。

フランスで私立中学受験したい方の参考になれば嬉しいです。

各学校で異なることも多いと思うので、一例としてお読みくださいね。

まずは受験をしようと思った段階から、時系列にリポートしていきます。

では、これから一緒に見ていきましょう。

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フランスの私立中学校に受験した理由

フランスの私立中学に受験した一番の理由は、息子の仲の良い友達がみな私立中学希望だったからです。

安易な考えに、拍子抜けなさったかもしれません。

ですが、このケースとても多いんですよ!

結局、息子の仲の良い友達10人は全員私立に行きました。

もちろん、良い教育を受けさせてたりたいからという親御さんの方針の家庭もあります。

それと、中高と一貫の学校ならBac(バカロレア=大学受験資格)まで同じ学校で安心という所も大きいでしょう。

ですが、友達と同じ学校に行きたい!というパターンも少なくありませんでした。

我が家のもう一つの理由は、学区の中学校の評判があまり良くないと聞いたからです。

色々な人に聞いてみましたが、実際の所は意見はバラバラ。

ある人は「全然良くない!」でも、ある人は「別に普通だけど…」

この様にさまざま感想だったので、もし私立がダメでも公立中学へ行っても別にいいかと考えていたんですよね。

ですがその反面、私立だと 先生たちのLa grève(ストライキ)がほとんどないので、私立に行ってくれたら楽でいいなあとも思っていました。

フランスの公立も良い学校もある

上記の様に書くと「え!?公立中学は良くないの!?」と誤解を招くかもしれないので、補足しておきます。

学校によって非常に異なり、公立中学校でもとても評判の良い学校もあります。

隣街にある評判の良い公立中学校に友達のお嬢さんが通っていて、親御さんも満足していました。

学区越えが出来ないと言われたので、そこには行けなかったんですよね。
(念のために、学区越え出来るか各学校に聞いてみて下さいね)

我が地域の学区の中学校は以前はかなり荒れており、人によってはあそこは良くないという人が居たんですよね、今は随分ましになったそうです。

そして、公立中学校の良い所は無料!

お子さんと色々話し合って、じっくり選んでくださいね。

受験は一体いつから準備した方がいいの?息子が受験した学校の場合をお伝えします。

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フランスの私立中学受験する準備はいつから?

我が家の場合はCM1(小4=最終学年の一年前)から準備しました。

フランスの小学校は5年間なんですよね、中学は4年間です。

分かりやすいように、日本とフランスの小中学校の学年の違いを表で書いてみました。

似てますが、若干違うんんですよね。

フランスの小学校と中学校の学年

小学校(l’école primaire)は5年間です。

呼び方は通常略した呼び方で、CPセペー、CE1セーウーアン、CE2セーウードゥ、CM1セーエムアン、CM2セーエムドゥと呼んでいます。

日本フランスの学年年齢
小1CP:Le cours préparatoire ル クー ペパラトワー6~7歳 
小2CE1:Le cours élémentaire 1re année ル クー エレモンテー プロミエアネ7~8歳
小3CE2:Le cours élémentaire 2e année ル クー エレモンテー ドゥジエムアネ8~9歳
小4CM1:Le cours moyen 1re année ル クー モワイヤン プロミエアネ9~10歳
小5CM2:Le cours moyen 2e année ル クー モワイヤン ドゥジエムアネ10~11歳

中学校は4年間です。

日本フランスの学年年齢
小66e:sixième シージエム11~12歳
中15e:cinquième サンキエム12~13歳
中24e:quatrième キャトリエム13~14歳
中33e:troisième トワジエム14~15歳

ちなみに高校は日本同様、3年間です。

なぜ私立中学受験対策に、CM1から準備を始めたのか?

その理由は、息子が受けた私立中学の2校は、CM1(小4=最終学年の一年前)とCM2(最終学年)の前半の通信簿を提出しなければならないからでした。

日本同様に入試試験だけで判断されませんので、通信簿(bulletinビュルタン)も必要。

息子の仲の良い友達の一人は、彼の兄ちゃんが私立中学に通っていたんですよね。

息子はCM1からその私立中学について、友達から話を聞いていたので、感化され「僕もNと同じ学校に行きたい!」と言い出したのがきっかけです。

「じゃあ、今から勉強して良い成績(bonnes notesボンノットゥ)を取ったら、Nと一緒に行けるよ!」と話していました。

とはいっても、塾へ行くわけでもなく(うちの近くには塾ありません)熱心に過去問した!ということも皆無。

ちゃんと宿題をしたか、授業のノートで間違った所を夫がチェックしたぐらいでした。

私立中学校入試過去問題集も見たことがありません、存在するのかなあ?

息子のクラスメイトは、もう既に行きたい私立に受かったので別に行くそんなに気ないけど、どんなもんか試したいから受けたという子もいました。

一応受験料100€ほどいるんですけどね、そんなノリの子もいます (^^;。

日本の中学受験とは全く次元の違う、超ユルさでした。

次は、そんな私立中学の願書についてです。

フランスの私立中学受験の願書提出はいつ?

願書は一校が11月、もう一校が12月初旬でした。

内容はCM1の成績表とCM2の成績表と、各学校からの願書書類に書き込んで送りました。

大体CM2の新学期の始まる9月辺りから志望校のHPなどで、願書提出日程をチェックしていましたよ。

あとは、クラスメイトのママ友さん情報も大いに役立ち、みな基本ユルイのでライバル!と言う感じは全くありませんでした。

色々親切に教えてくれましたよ。

書類審査のみの私立中学校もある

成績表と書類審査のみの私立中学校もありました。

二校へ願書を出したのですが、その内の一校は書類審査のみでした。

願書と通信簿のみです。

よって、お子さんを私立中学校に通わせたい親御さんは、やはりCM1から良い成績を残せるように導いていくのをおススメします。

どんな入試試験なしでどのような基準で決まるのが疑問でしたが、優先順位は縁故の有無。

入学希望の子供の兄弟がすでに入学していたら、ほぼ合格間違いありません。
成績は並みでも!!

その次は、願書先着順の様子でした。← 今だからわかったことです。

実は夫が小学校の担任の先生に願書を出す為に必要な通信簿が欲しいと申し出たものの、学校側の不備で、一部の書類不備があったんですよね。

その為、提出日が遅くなり、数日遅れて2021年11月半ばに提出。

よって結果はまだ届いていません (2021年4月半ば現在ですよ!!)

もう一人、Sちゃんのママも諸事情で提出が遅れたようで、彼女もまだ結果は届いていません。

学校に問い合わせると「2021年の3月までは合否の結果をお知らせします」とのことでしたが、とうに過ぎています。

流石フランス( 一一;)。

もう驚きもしませんが、あまりにいい加減な対応で不信感を持ち、この学校へ通わせたくないと思うようになりました。

次は、受験前の説明会についてです。

フランスの私立中学受験の説明会

La réunion d’information(情報集会=入学説明会)は1月の半ばに開催されました。

通常は、学校で行われますが今年はrencontre virtuelleバーチャルミーティング、ZOOMにて出席したんですよね。

学校の設備や内容や受験について、詳しく解説してくれ最後には質問コーナーもありました。

見ているのは、親子だったり親だけだったり様々でしたよ。

次は入試試験科目について、詳しくお伝えしますね。

入試試験科目について

科目は数学と国語(フランス語)の2科目でした。

それぞれの科目でどこを評価されるか?というと以下の項目でした。

これは合否通知の書類で発覚した内容だったので、合格してから知ったことなんですけどね。

算数はこんな項目で、

  • Nombres et calculs 数字と計算
  • Grandeurs et mesures 大きさと測定
  • Espace et géométrie 空間と幾何学

フランス語は以下です。

  • Capacités à lire et à comprendre des textes variés 多様な文章を読み解く力
  • Maitrise de l’orthographe et de la grammaire 綴りと文法の習得
  • Coprendre et analtser le sens des mots 言葉の意味を理解と分析
  • Qualité de l’expression écrite 文章表現の質
  • Soin et présentation 丁寧さと陳述

試験時間は約3時間の長丁場!

学校に到着して、生徒数に圧倒された様でしたが、まあまあ出来たと言っていました。

次は合否判定についてお伝えしますね。

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入学合否判定はどこで知る?

合否結果は郵送されて、その書類で知りました。

「合格おめでとうございます」と書かれてはいません。

2行目の文章内でやっとわかりました。以下の部分です。

「les résultas obtenus par enfant au test de connaissances nous permettent de lui proposer de admission en 6ème trilingue pour la rentrée 2021.」

訳:知覚テスト(入試試験)の結果を受けて、2021年度からのトリリンガル6年生への編入を提案します。

” nous permettent de lui proposer…”私たちが彼の(入学を)許可して提案する…という所で、ああ合格したんだ!!と分かりました。

ま、パっと見て一番目に入ったのが「6ème trilingue(enseignement de l’anglais et de l’espagnol) 」の部分だったんですねどね。

※訳は「三か国語の6ème(中学一年) 英語とスペイン語授業」ですが、+フランス語の三ヵ国という意味です。

英語は必須ですが、2か国語目は選択で、スペイン語とドイツ語選択出来ました。

貴方のお子さんは試験にパスし(réussir)、以下のクラスですと、非常にあっさり書かれいました。

入試試験結果と試験の平均点もわかる

上記書類にも書かれていた通り、test de connaissances(入試試験)の点数と、平均点の結果も同封されていました。

写真下の一番左から、Nature de l’epreune 項目でPourcentage reussite(点数)

de l’élève 息子の試験点数
de l’emsemble des élèves 試験の平均点

テストの点数はPourcentage(100分率=いわゆる100点満点)です。

なんと息子は「Soin et présentation丁寧さ」が100点満点!?

字が恐ろしく汚いあの子がなぜ!?謎です。

受験を終えての感想

終えての感想は、ガリ勉せずとも普通の成績なら受かるんだな~と思ったのが一番の感想です。

私立受験合格した息子の友達らから見ても、いわゆるガリ勉していた子はいなかったんですよね。

しょっちゅう息子と公園で遊んだり、お互いの家でオンラインゲームで一緒に遊んだりしてたので拍子抜けした程です。

なぜ普通の成績でも受かると思ったのか?というと、息子の担任の先生は古いメゾットを良いと信じる先生で、テストの点数順に答案用紙を返すからです。

点数の低い子から先に返すので、誰が点数が良くて誰が悪いかが、クラス全員に発覚するということです。

という事はクラスメイトは全員、各々のレベルを把握出来る!ということなのです。

これを聞いて、え?ひどくない!?と思ってしまいましたが、夫が学生時代からこのようなシステムでストレスだったそう。

ですから、息子も友達がすごく頭いいか普通か大体知って、教えてくれました。

それと息子が入試試験を受けた時に、友達になった子の発言も衝撃でした。

彼曰く「ボク、習っていない所あったから、あまり出来なかった…」

そう、担任の先生により授業の進めるスピードや順番が違うので、こんなことも起こり得るのかあ、と思いました。

フランスの小学校の先生は、自分好みの教科書を使い、一年間で教える内容は決まっていても、順番は先生が決めます。

休みがちな先生は、当然のこと一年間で教える内容を教えきれず一年終わった…ってこともあります。

じゃあ補習授業があるのか?と言うと、ありません(笑)
各親が教えるしかありません。

さらに、宿題は出すのを禁止(家庭環境の不平等)になっていても、息子の担任の先生のように「あった方がいい!」という先生はすごく出します。
※でも息子のクラスは、授業中宿題が出来る時間もあります。

そんなこんなで、平等なコンディションとは言えない状況で試験を受けるので、たとえ不合格だったとしても子供の責任だけではない、と感じました。

運でしょうね、もうそれに尽きます。

そんなフランスらしい受験体験記でした。

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フランスの私立中学校受験体験レポートについてのまとめ

フランスの私立中学受験について、実際に我が息子の受験体験記を、時系列でお伝えいたしました。

日本で中学受験をていないので比べることは出来ませんが、学校のレベルにもよりますが、普通の成績でもいける私立中学もありました。

CM1(最終学年の一年前)からの通信簿が必要なので、その時点から授業の理解をより深めて、担任の先生から良いコメントを貰えると有利だと、振り返って思いました。

私立だから良いとは一概に言えなく、子供にもよるそうです。

知り合いのお子さんは頭が良く、良い私立中学に入学しましたが校風に合わず、結局2年目から地元の公立中学に転校してのびのび学校生活を送ったそう。

我が息子も入学出来たものの、合うかどうかまだわかりません。

彼の様子を見ながら、都度臨機応変に対応していこうと思っています。

通学し出したら、また私立中学の実態をリポートしますね!

私自身も興味津々です。

+++++++++

特定のフランスの学校についてお知りになりたい場合は、住所から所在地のmairie(市役所)で聞くことが出来ますので、問い合わせしてみて下さいね。

※息子の行きたい私立中学しか調べていませんので、他の学校のご質問はご遠慮下さいませ。

恐れ入りますが、お問い合わせやコメント欄及びLINEで、個人的なご質問を頂いても、私がフランス語の文献を調べて日本語に訳し、各読者さんに無償で提供することは致しておりません。

※申し訳ありませんが、息子が受けた私立中学校名や地区名など個人情報に関わる内容についての全てのお問い合わせも、お答えいたしかねます。併せてご了承くださいませ。

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フランスに関するご質問やご意見がありましたら、下のコメント欄、お問い合わせ欄、公式ラインよりお気軽にお寄せください。


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