5年に一度のフランス大統領選挙は、選挙権がなくても関係する
5年に1度の大統領選挙ですが、今回は4月23日に第一回投票が行われました。
結果は中道系独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相と極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が、次回行われる5月7日の決選投票をすることになりました。
今回の選挙は投票までに、一番の候補であったフランソワ・フィヨン氏の不正給与疑惑が、私には、ショッキングでしたが、ほかの候補者も色々スキャンダル出るわで混迷しましたね。
大統領選挙は一見、外国人である私にとって、あまり関係なさそうですが、実は大きな関わりがあります。
誰が大統領になるかで色々な手続きが大きく変わるので、日ごろあまり政治について深くニュ-スを読まない私にとっても、大きな関心事でもあるのです。
そんなフランスに住む外国人である私から見た、大統領選挙について、身近に関わる事柄をご紹介します。
(2017年4月25日現在)
※引用、及び参考文献 :在日フランス大使館HP
Francetvinfo.fr
フランスの選挙権を持つ人とは?
選挙権を持つ人物とは、在日フランス大使館サイトよりこう書かれてあります。
『第1回投票の前日に18歳以上で、民事上・政治上の権利を享有する、すべてのフランス国籍者。外国居住者も、拘留者も可』
そう、投票出来る人は、18歳以上のフランス国籍を持つ人です。ですので、フランスの植民地例えば、マルティニークやグアドループとマルティニクなどで、住んでいるフランス人も当然選挙権があります。
私は日本国籍なので生憎、選挙権がありませんが、2重国籍の人の場合は選挙権があります。
大統領選挙は国民が選ぶ直接投票なので、国民一人一人の投票が結果に大きく繋がるので、その一票の重さがヒシヒシと感じられます。
今回の選挙でなにが変わる?
今回の選挙で私が注目しているところは、極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首が、大統領になるかどうかについてです。
なぜ彼女に注目しているかと言うと、色々ありますが、私にとって2つ気になる点があります。
つはEU脱退する可能性が出てくることと、2つ目は2重国籍の廃止になるかもしれない件です。
もしフランスがEU脱退すると、
すぐには離脱にならないと思いますが、もし脱退すると、通貨が変わります。
すごく身近な例ですが、これは3か国の国境付近在住者の私にとってはかなり不便です。
現在は入国するのも、車で素通りのみで本当に隣の国に来たの?という程簡単なのですが、入国審査が必要になると、また国境で渋滞しそうです。
そして買い物ですが、私は税率によって買うものを分けて買うものもあるので(例えば香水やガソリン)、大きなものがカ-ドで支払えばよいのですが、現金を使う場合は両替しないといけなくなるのは不便で、コストも掛かりそうそうです。
ユ-ロからフラン戻ると、その影響がどのぐらい大きくなるかが懸念されます。
昨年イギリスがEU脱退と決定後、ポンド下がりましたよね。
フランスも、これ以上不景気になるのは勘弁して欲しいのですが…どうなるか心配です。
二重国籍を持てなくなると、どうなるか?
息子は現在二重国籍保持者です。ですが、日本は現在二重国籍を保持できません。
息子は将来22歳になると、どちらか選ばなくてはなりません。
ちなみに私はなぜフランスに住んでいるのに、日本国籍のままでフランス国籍にしないか?と言うと、フランス国籍に変更すると、当然日本では外国人扱いとなります。
したがって、日本へ滞在出来る期間が最大で90日(3か月)となります。
もし、将来両親が病気になった場合、看病したくても90日間しか居れなくなると、非常に困ります。
それ以外に色々な事情で日本に滞在しなければならない場合も出てくるかもしれません。
もしかして、老後はまた日本へ住む可能性0でもありません。
そうなると、やはり日本国籍でいる方が私にとって便利なのです。
私の友人や息子の友達の父兄にも、たくさん二重国籍保持者がいますので、これはちょっと他人事には思えません。
もちろんフランス国籍になると、フランスに住む場合は非常に便利になります。
毎回提出書類の多い、滞在許可証の更新はしなくてもいいし、選挙権も貰えます。
私は、現在日本でも二重国籍を認めて貰えるように希望しているので、フランスも現状のまま変わらず、二重国籍を保持出来るようであって欲しいと思っています。
こんなものが家に届きます
選挙前には選挙権を持つ人へこんな封筒が届きます。
MINISTERE DE L’NTERIEUR 法務省
URGENT 緊急の、差し迫った(形容詞)
ELECTIONS 選挙
以上の単語から、袋を開ける前に、これは重要な書類だとすぐに理解出来ます。
放置しないで、即開封する必要がある!と分かり易いですね。
中は投票所入場券に、各立候補者の公約が書かれたポスタ-と、立候補者の名前のみが書かれた用紙です。
Macronのポスタ-はの中身はこんな感じです。
中には彼の信念や公約が書かれています。
立候補者は11名だったのですが、名前の用紙は10枚のみで、一枚足りません。
やっぱりフランス…。
投票会場で、この用紙を封筒に入れて、箱に投函するそうですが、この用紙は会場にもあるので、1枚足りませんでしたが、構わないとのこと。
日本のようにわざわざ記入をしなくても良いそうです。
投票率は日本よりはるかに高かった!
今回の投票率は前回の大統領選よりは低いものの、日本よりはるかに高いです。
選挙について書かれているサイトfranceinforには、市町村それぞれで全体人数の何パーセントの投票率があったか、そしてそれぞれの立候補者への投票率も調べることが出来ました。
例えば私の住んでいる村は、Participation 75,67 %(参加=投票率75.67 %)でしたが、日本の投票率に比べてかなり高くないですか?
私も投票には必ず行く方でしたが、フランス人はこんなに皆政治に関心を持って投票するの!?と驚きました。
まとめ
日本に住んでいた頃は、正直フランス大統領選挙について、あまり関心が強くありませんでした。
しかし、現在はフランス在住です。
選挙権がないにしろ、外国人の私にとってこの5年に一度の大統領選は、大きく関りがあるので、注目せざるを得ません。
次回の第二回投票は5月7日です。はたしてマクロンになるのか、ルペンになるのか。
EU脱退も考えられる、この重要な選挙がフランスにどのような影響を与えるのか、行方が非常に気になります。
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